7月12日(土)、日本ティーアナリスト協会様と当支部の合同イベントを、千葉県市原市の古民家カフェ『花笑庵(かしょうあん)』にて開催しました。本イベントは、専門分野が違う「お茶が好き」な人たちが一堂に会し、おいしい料理と一緒にお茶を楽しんだら、どのような交流や情報交換が生まれるかをコンセプトに企画したものです。
両協会合同で立ち上げた初の試みとなるイベントということもあり、開催前に入念な準備をしてきましたが、期待感からのワクワクと不安感からのドキドキが重なった幕開けとなりました。
ここからは、タイムスケジュールに沿ってレポートさせていただきます。
◆ウェルカムドリンクでお出迎え
まず、ご来場いただいたゲストの皆さまにはウエルカムドリンクとして、「夏のトロピカルグリーンティー」を召し上がっていただきました。
こちらは、日本茶チームが担当しており、三重県産のかぶせ茶を使用した水出し茶とパイナップルジュースを合わせたこの季節にピッタリな一杯となっていました。ワイングラス上部の泡を雪のように見立てており、泡が弾ける度にミントの爽やかさとパイナップルの甘い香りが広がります。
合わせた水出し緑茶との相性もよく、グラス底部のレモンゼリーが後味をスッキリさせてくれており、暑い屋外から到着したゲストの方々の身体も存分に癒してくれたことでしょう。
日本茶アレンジティー
◆開会から日本茶アレンジティー実演、日本茶のおいしい淹れ方実演へ
ほどなく開会となり、両協会代表の挨拶を経て、日本茶インストラクター協会スタッフの実演タイムに移りました。
まずは、ウエルカムドリンクを提供した日本茶アレンジティーの実演から。
今回「夏のトロピカルグリーンティー」のレシピを考案した担当者直々の身振り手振りによる実演をしていただきました。
このレシピのポイントの1つである雪に見立てた泡。担当者が、パイナップルジュースがきれいに泡立つことを解説されると、皆一様に意外だったような印象を持たれておりました。
つづいて、日本茶のおいしい淹れ方の実演へ。
こちらは、日本茶インストラクターの真骨頂とも言うべきお茶をおいしく淹れることを披露するというもの。
この日は、担当者が釜炒り茶「朝霧しずく」を使用し、準備した茶器を用いて実演しました。
「朝霧しずく」は、日本茶AWARDで3年連続プラチナ賞を受賞している宮崎県谷岩茶舗さんのお茶です。
釜香と呼ばれる独特の炒った香りと黄金色に澄んだ水色が特徴のお茶ですが、香り高く繊細な味わいを存分に引き出されていました。
日本茶アレンジティー実演
日本茶淹れ方実演
◆紅茶のおいしい淹れ方実演、紅茶アレンジティー実演
日本茶チームの実演に続いて、日本ティーアナリスト協会スタッフによる紅茶の淹れ方実演に移りました。
最初は、紅茶のおいしい淹れ方実演から。
日本茶インストラクター協会のイベント等でも紅茶を扱う場面は多いと思いますが、本格的な茶器や道具を使っておいしく淹れるのであれば、専門の方々から学ぶに尽きます。紅茶は、熱湯を用いて淹れることが基本ですが、いかに高温状態を維持して召し上がっていただくかに関して、かなり細かい点まで気を配って茶器類を扱われているのだと改めて感じました。また、注ぎ方も割と大胆に注がれているのを拝見して、やや意外な感じにも映りました。
次に、紅茶のアレンジティー実演へ。
今回ご紹介いただいたのは、「雨上がりの夕暮れティー」。夏に旬を迎える国産ブルーベリーのスプレッドを使い、肉料理に合う赤ワイン風のアレンジティーです。
紅茶はフルボディで濃厚な味、ふくよかで深みのある香りのルフナを用いて赤ワイン風に仕上げてあるとのこと。
出来上がりは2層構造のようになっており、下段にブルーベリースプレッドとアイスティーを混ぜ合わせたもの、上段にアイスティー・レモンスプレッド・バルサミコ酢などを混ぜ合わせたもの。見るからに夏の雨上がりの夕暮れを想わせるような仕上がりになっていました。
こちらのアレンジティーは、この後のランチに合わせて提供とのことで、期待が膨らむばかりです。
紅茶の淹れ方実演
紅茶アレンジティー実演
◆絶品ランチとともに談笑タイム、さらにデザートと日本茶・紅茶のペアリング
両協会スタッフの熱のこもった実演のあとは、いよいよ待ちに待ったランチタイムへと移ります。今回ご提供いただいたメニューは、屋号を冠した「花笑庵御膳」です。配膳されたプレート上には、鮮やかな色とりどりの食材を使用した料理が所狭しと並んでいます。どれもこれも美味しそう。
まずは、先ほど実演された「雨上がりの夕暮れティー」のグラスを片手に、参加者の皆さんで乾杯。一口飲んでみると、紅茶の深みのある香りを感じ、二層目のブルーベリースプレッドを仕立てたものを混ぜ合わせると、程よい甘さと酸味がとてもよく合います。さらに、肉料理に合わせることを意識されたということで、御膳の「土用の豚丼」と一緒にいただくと、やや甘めの味付けをされた豚肉との相性が抜群でした。豚丼には、自家製山椒がまぶされており、濃厚なうま味の後に追ってくる痺れの爽快感が印象的でした。他にも、市原キッシュをはじめ、お店の菜園で採れた地のものをふんだんに使用したメニューに舌鼓を打ちました。
花笑庵御膳
紅茶アレンジティー
絶品ランチをひと通りいただいた後は、デザートプレートと両協会スタッフが淹れた日本茶・紅茶のペアリングを楽しみました。日本茶にはあんみつ、紅茶にはバスク・チーズケーキを合わせました。どちらもデザートとお茶のマッチングが絶妙で、あっという間に完食してしまうほどでした。
デザートのペアリング用の紅茶をお淹れします
デザートとお茶のペアリング
◆イベントを終えて
およそ2時間半のイベントも最後に両協会代表の挨拶と参加者の皆さんとの記念撮影をもって終了となりました。限られた時間ではありましたが、初めて出会った者同士でも、お茶のことやそれぞれの活動のことなどで話が弾んでいたかと思います。皆さんの今後のお茶活動に繋げていただければ幸いです。
また、今回お茶のアレンジティーや淹れ方実演、イベント運営に携わっていただいたスタッフの方々は、事前のミーティングや練習等を経て本番を迎えました。
多くのゲストの前で初めて披露する実演は、たいへん緊張されたと思いますが、皆堂々と立派に勤め上げておられました。さらに、スタッフ間の連携も素晴らしく、イベントがスムーズに進行できました。今後、各々の場所で更なる活躍をされることを期待します。
最後に、この素敵なイベントの舞台をご提供いただいた「花笑庵」のオーナー様・スタッフの皆さま、そしてイベントの立ち上げや運営にご尽力いただいた日本ティーアナリスト協会の皆さまに、この場をお借りしてお礼申し上げます。
お茶と人とが繋いでくれた出会いと縁に感謝し、今後の皆さんの活動が実り多きものになることを願い、本稿を終えたいと思います。ありがとうございました。
本日のスタッフの皆さん
参加者全員で記念撮影